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Posted;2005年01月04日
■翻訳品質を上げる6か条
正月休暇を利用して帰省すると父が特許翻訳の仕事をしていた。定年退職後のバイトとしてはなかなかいい仕事だが、特許翻訳は知らない単語の羅列でなかなか難しい。普段、翻訳を発注する立場にある僕としては、発注者から見る翻訳品質と発注される側の苦労に隔たりがある場面を経験することがあった。父の仕事を手伝いながら翻訳品質を上げるべく、発注者は何をしたら良いかを考えてみた。
これは翻訳業務の受注に限らず、今後自分が何かを提示するときにもきっと考えるべき事柄なのだろうと思う。
■翻訳品質を上げる6か条
1:活用目的の明確化
2:活用媒体の考慮
3:参考資料の用意
4:規格の統一化
5:品質管理の工夫
6:コメントの活用
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▼1:活用目的の明確化
何のために翻訳するのか?活用目的を明確にすることが大切だと思う。活用目的を明らかにしておかなければ、適切な表現を選ぶことが出来ない。また、業者が誰に仕事を割り振るかを選択するうえでも重要である。
例えば、初心者に分かりやすく伝えることを目的としているのか、専門家に伝えることを目的にしているのかでおのずと内容は異なってくる。伝える内容について以下の点を把握しておく必要があるだろう。
・どのような内容(医療系なのか、IT系なのか)を
・どのような目的(解説書なのか、ニュース速報なのか)で
・どのような対象者(背景知識をどのくらい持ち合わせているのか?)に
・どのくらいの正確さで(分かりやすさを優先すべきか、正確さを優先すべきか)
▼2:活用媒体の考慮
テキストファイルでの原稿作成が一般的だろうが、実際に翻訳原稿を活用する場面ではそのまま使うことはまずないだろう。たとえば、パンフレットに使用する場合やニュース速報のような形でWebに掲載する場合もあるだろう。パワーポイントを用いたプレゼン資料として活用するのであれば、無駄な修飾語を省いた簡潔な文章で文字を大きく示す必要があるだろう。一方、読み物として紙媒体に印刷するのであれば、文章は多少長くなっても読みやすい方が良いだろう。
出来上がりの状態を踏まえた作業が出来る業者はなかなかないものだ。また、この点に気を配る発注者も少ないのかもしれない。しかし、完成予想図を思い描けるかどうかはどんな仕事をする上でも大切なことだと考える。
▼3:参考資料の用意
翻訳するべき文書について最初から内容が分かっていることはないだろう。しかし、事前にどのような内容であるかを推測することはできるので、関連する情報を参考資料として添付するなどできれば、役立つことは多い。どこかの本で読んだことがあるように記憶しているのだが、優秀な翻訳家は2割の時間で翻訳し、8割の時間で調査・見直しを行なうとされる。専門分野の用語は、独特な言い回しをすることがあるため、門外漢にとっては日本語にした方が良いのか、元言語のままスペルを書き記すのが適当なのか判断に迷う場合がある。このような時、参考資料で同じ用語を見つけることが出来れば、自信を持って作業に当たれるだろう。
今、インターネットで関連する情報を一瞬にして収集できるようになり、便利になったものだと思う。ただ、インターネットの怖さがここにあり、Webで広まる情報は起点となる情報源が間違っていると間違ったまま流通してしまうことがある。このように間違った言葉の方が広まっていて、正しい言葉遣いを記す方が違和感をもたれるような場合、どちらを採用すべきか迷うことがある。このような時、▼1にあげた活用目的によってどうすべきかが決まってくるのだろう。難しい問題だ。
▼4:規格の統一化
「です・ます」調なのか「だ・である」調なのか?「3ヶ月」なのか「3ヵ月」なのか?▼3の参考資料を用意することにつながる話だが、専門分野の用語はただ元言語を日本語にすればよいというものではない。語句の統一をはかるためにも事前に用語集を作るなどしておくとチェック業務をするにあたっても楽になる。
*** 「です・ます」と「だ・である」に関してはPassion for the Futureに「です・ます」の方が上下関係のある言葉だという面白いコメントが掲載され、「私」が公人として不特定多数に語る「だ・である」を選びなさいと「大人のための文章教室」に書かれていると紹介している。この本はなかなかためになりそうだ。
▼5:品質管理の工夫
誤訳・訳抜けの防止や翻訳品質のばらつきを防止するうえでも、窓口となる統括者が設置されていることが望ましい。また、どんなに優秀なひとでも一人で作業していると気がつかないミスがあるものだ。2人以上でチェックするなどの体制が望ましい。
▼6:コメントの活用
仕上がりは完成品でなければならないが、翻訳者が表現や解釈に迷った箇所があるならば、そのことをコメントするようにしたほうが良い。コメントが適切であれば、翻訳物をチェックする際にどこにポイントを置くべきかが把握しやすく、ミスも少なくなるというものだ。
コメントできるというのは、実はすごいことで、コメントが適切に出来る能力は非常に重要だと思う。コメント力に関しての本も出ている。これらの本でいうところのコメント力と翻訳物に対するコメント力とは違うものだが、実生活においてもコメント力を磨きたいものである。
| コメント力 | |
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さあ、今年も締め切りに追われる生活がはじまりそうだ。効率の良い発注をして自分が楽をできるようにしたいものだ。今年も頑張るぞ!!
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